この試験は、その出題範囲の広さと、受験生のレベルの高さにおいて、他に類を見ない極めて特殊な試験であるといえます。
即ち、本試験当日において全科目の広範な知識の全部を頭に入れておく必要があり、且つ8割程度の極めて高い正解率が要求されますから、 この膨大な量の知識をいかに効率よく、 且つ正確に記憶していくかということが、この試験に合格する上での最大の要因となるわけです。
 
優秀な人ほど、サブノートの作成などをせずに頭の中だけで情報を整理しようとしがちですが、 頭の中だけで整理しうる情報量には限界があり、6割程度の正解率で合格する一般的な国家試験には通用しても、 範囲が膨大で且つ8割の正解率を要する、この極めて特殊な司法書士試験には通用しません。
いわゆる天才型の人は別でしょうが、頭の中の知識がある一定量になれば、新しく吸収する知識と忘れ去る知識が同程度になり、 よほど時間をかけて勉強するなどしない限り、それ以上に成績は伸びません。
普通の人が頭の中だけでこの試験の勉強をした場合、6割の正解は可能であっても、8割の正解率には至らないでしょう。
そのレベルを脱し、この特殊な試験に実力で合格するためには、知識を整理し、関連毎に分類して集約 する作業が必要不可欠であり、具体的手段としては、 サブノ−トの作成しかないでしょう。
このサブノ−トも、自分で一から作るとなれば、多くの時間と労力を要し、その手間は問題演習 に充てた方が有効であるなどの理由から、サブノート作成を躊躇する人が殆どかと思います。
私はその対策として、サブノ−トのベースを講師側が作成して講義資料として配布し、受講生はこれに線引き、 書き込み等をすることによって、各人が自分にとって最も使いやすいサブノ−トを、講義の流れ に沿って完成させていくという方法が最良であると考えます。
 
サブノートを作成せず、論点を文章で説明した市販の教科書的なものに、不足の論点を書き込む ことによって情報を一元化する方法もありますが、この方法にはいくつかの問題点があります。
先ず第一に、書き込む量が多すぎるということ、この試験に合格するために必要は情報量は膨大 であり、多くの場合、暫くすれば書き込みスペースがなくなって途方に暮れる結果となります。
次に、教科書的なものは全体の容量が大きくなり、且つ一覧性に欠けるということ、文章による 論点の説明があった方がいいのは、いわゆる初学者の間だけであり、合格レベルに近づけば、そ の説明文がかえって邪魔になります。勉強を始めた当初は不便なようでも、結論のみをコンパク トにまとめ、一覧性に長けたサブノートを使って勉強した方が最終的には断然有利です。